新幹線フォーラム、北陸・敦賀延伸と青函圏の関連研究を報告

新幹線フォーラム「『福井×青函圏』絆と未来-北陸・敦賀延伸から北海道・札幌延伸へ-」が1月20日(土)、青森市のあおもりスタートアップセンターで開催されました。あおもり新幹線研究連絡会と青森大学櫛引研究室が主催、青森大学付属総合研究所と青森大学社会連携センターが共催しました。

フォーラムは、今年3月に迫った北陸新幹線・敦賀延伸に向けた青森学術文化振興財団の令和5年度助成事業「「北海道新幹線・札幌延伸への準備および北陸との協働-青函エリア発『新幹線学』構築の試みと提言(1)」の成果報告のため開かれました。福井県や仙台市からの来場者に加え、北海道、神奈川県、福井県などからのオンライン参加があり、行政・経済関係者や大学研究者、大学院生など約30人が研究報告に耳を傾けました。

研究会のメンバーである青森中央学院大学・竹内紀人教授のビデオメッセージが紹介された後、青森大学社会学部の櫛引素夫教授が事業の趣旨について「北海道新幹線・札幌延伸と、そのころに訪れるであろう『青森県人口100万人割れ時代』に向けて、北陸新幹線沿線が地域にもたらす変化と北陸から学ぶべきことを明らかにして、人口減少社会の再デザインを試みたい」と説明しました。

続いて青森大学付属総合研究所の村上亜弥客員研究員が、9月に実施した現地調査の結果に基づき、地域史からみた福井県敦賀市と青森市のつながりを報告しました。明治末から大正時代にかけて、青森とロシア・ウラジオストクを結ぶビジネスを展開していた「青浦商会」(せいほしょうかい)の敦賀市の足跡や、市民の手で歴史研究が活発に行われている同市の「気比史学会」(けひしがくかい)活動を解説し、来場者が興味深そうに聴き入っていました。

また、青森大学の竹内健悟客員教授は、福井と青森が日本海航路で結ばれていた痕跡について、青森県内各地に福井特産の「笏谷石」(しゃくだにいし)でできた「越前狛犬」などの石造物が残っていること、敦賀に弘前藩の蔵屋敷があったこと、津軽半島の今別で越前の人々が造船を行っていたことなどを資料にまとめ、櫛引教授が紹介しました。

さらに、櫛引教授が敦賀市で実施したアンケート結果の概要を報告し、「新幹線開業に関心がある、という回答が3分の2にとどまるのに対し、開業を歓迎する、と答えた人が8割近くに達する」などと述べました。このほか、1月1日の能登半島地震発生を受けて、東日本大震災と東北新幹線全線開通を振り返りながら、新幹線開業と地震の関係性について提起しました。

フォーラムの様子は1月21日の福井新聞、23日の読売新聞で報じられました。

あおもり新幹線研究連絡会は青森大学・櫛引研究室が事務局を務め、青森大学、弘前大学、青森中央学院大学などで構成しています。

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