青森大学と青森県立青森西高校の高大連携事業が縁となり、11月27日、青森西高校「青西おもてなし隊」と青森市立新城中学校「おもてなしボランティア」の初の交流会「おもてなしフォーラム」が新城中学校で開かれました。ボランティア活動に取り組む両校の生徒約50 人に加えて、新城中OBの青森大学生、住民団体「三内を美しく元気にする会」の会員らが参加し、新青森駅をはじめ学区内の魅力再発見をめぐって和やかに懇談しました。
青森西高校と新城中はともに、新青森駅を拠点の一つとして、おもてなしボランティアに取り組んでいます。また、青森大学は社会学部の櫛引素夫教授(社会連携センター副センター長)が中心となり、新青森駅を中心とする地域の話題を集めたニュースレター「はっしん! 新青森」を2019年から刊行していて、両校や「三内を美しく元気にする会」の話題を取りあげてきました。
青森西高校と櫛引研究室は2019年から「おもてなしフォーラム」を開催してきましたが、今年は新城中が加わり、さらに新城中学校区学校運営協議会委員と新城小・新城中央小の教員も参加して、小・中・高・大が連携しての催しとなりました。櫛引教授が司会を務めました。
初めに新城中ボランティア企画委員長の丸山心海(ここみ)さん(3年)が、ミニ金魚ねぶたを横浜市のJR小机駅、県内の医療関係者や宿泊施設、青森県の総合販売戦略課、東京・大阪・福岡の青森県アンテナショップ、地元の消防署などに寄贈してきた取り組みを報告しました。
続いて、青西おもてなし隊の雪田菜月さん(1年)が、2010年の東北新幹線・新青森駅開業に合わせて隊が発足した経緯、コロナ禍を経て今年、大型クルーズ船の歓迎が復活したこと、青森ねぶた祭で初めて石江江渡下町会の「地域ねぶた」運行を支援したこと、北海道新幹線の札幌延伸を視野に北海道長万部高校と交流が始まったことなどを紹介しました。
その後、生徒たちは4~5人のグループに分かれ、新城中の学区にあるお気に入りの景色・場所めぐって意見交換しました。「真っ白な雪原をJR奥羽線の列車が走ってくる光景が好き」「中学校の4階から見える夏の風景がきれいだと思う」といった声が新城中の生徒から上がり、参加者はうなずきながら聴き入っていました。
また、新青森駅東口とエントランスホールの活用法についても懇談し、「大きな鶴の折り鶴を飾れないか」「地元名産品を置きたい」「出店を開きたい」といったアイデアが出ました。さらに、東口の広場に「雪像を作ってはどうか」という提案がありました。
新城中の丸山心海さんは「2校合同で何か新しい活動ができそうだとワクワクしながら意見を出し合えました」、おもてなしボランティア担当の山形亜紀子教諭は「人生の先輩でもある青西おもてなし隊の皆さんや卒業生の青森大学生とお話ができて、生徒たちにはとても良い刺激になった」と手応えを語っていました。
青西おもてなし隊1年の佐藤虹果(このか)さんは「緊張していたが、あたたかく迎えてくれたことにより少しリラックスできました。活動自体も思っていた以上のことを行っていたので、うらやましい気持ちもありました。このような活動ができてよかったです」、同じく工藤桜子(さくらこ)さんは「中学生の方が積極的に意見を出してくれたおかげで、たくさんの良いアイデアを聞くことができた。また、青森について知らなかったことをたくさん知る良い機会になった」、同じく山本菜々さんは「世代の違う人と話し合う機会はなかなかないので貴重な体験ができました」と振り返りました。
新城中OBで青森大学社会学部1年の加藤未宙(みひろ)さんは「大学生として何か地域のためにできることはないかと考えるいい機会になりました」と話していました。