「がんと共に歩む」ーオープンカレッジ市民大学第3講を開催しました

令和8年度オープンカレッジ市民大学の第2講が5月29日(金)、青森市男女共同参画プラザ5階の研修室で開かれました。

  今回は、元JA青森考査役の木村幸子さんをお招きし、「がんと歩く」をテーマに、がんを患い、抗がん剤の副作用とも向き合いながら日々を送られている体験を紹介していただきました。木村さんは2021年8月の健康診断での異変をきっかけに手術を受けました。翌年にかけて抗がん剤治療を行い、一度は職場復帰を果たしたものの転移が見つかって、度重なる手術や休職、25年3月の退職を余儀なくされるなど、壮絶な加療を続けられてきました。現在も治療を継続されているそうです。

  木村さんは、がんと診断され、さらに転移を告げられた際、「家族や職場にどう伝えるか」「副作用や費用への懸念」「歩けなくなるのではないか」という切実な不安があったといいます。 これらの不安に対し、①自分の心の整理よりも先に、家族をはじめ周囲の人の心の整理から始めた②病院の「がん相談センター」を活用し、副作用対策として日々の体調を手帳に記録③傷病手当金や障害年金の制度について、協会けんぽやハローワーク、年金事務所へ自ら出向いて確認ーと行動を重ねた結果、「治療にスケジュールを合わせるのではなく、自分のスケジュールに治療を合わせる」という前向きな主体的意識が芽生えたと振り返りました。

  病を経験する前は「病気は家族が支えるもの」「抗がん剤治療は入院して行うもの」といった固定観念があったといいます。しかし実際に当事者となり、「食べる」「笑う」「車の運転」「自分の足で歩く」といった、それまでの「当たり前」が決して当たり前ではないことに深く気付かされたそうです。また、病を通して「感謝とは、共感(気づく力)と思いやる心である」と感じるようになり、自分を客観的に見つめることで、日々の小さな幸せに対する幸福度が増したという、力強い心の変化を示されました。

 最後に木村さんは、「がん=早期発見」という言葉は浸透しつつあるものの、患者の日常生活や生活リズムに対する社会の理解がまだ十分ではない現状を指摘されました。 木村氏が次々と押し寄せる試練の中でも孤独を感じなかったのは、自身の状態や生活リズムを周囲に伝え、理解され、受け入れてもらえたからだといいます。 「患者一人だけが病気を受け入れるのではなく、社会全体で思い込みを捨て、がん患者を受け入れていくことが大切である」という、優しくも重みのあるメッセージで講義は締めくくられました。

>資料請求

資料請求

本学への入学を検討されている方、および本学の入試に関して詳細を知りたい方のために、学校案内・入試資料(無料)をご用意しております。