54 笑顔の愛ちゃん

 先日、卓球のオリンピックメダリスト・福原愛さんが青森大学で講義をしてくれました。昨年、福原さんが来校した時、福原さんの国際経験を評価して客員准教授に就任していただきました。以後、時間を調整し、このたびの特別講義となりました。客員准教授になった時、心ない人々から批判されました。「いきなり大学で高給取りか、青森山田の失敗」など根拠に乏しい批判が上がりました。客員准教授は無給です。年に一度か二度程度1万円で講義をしていただく、というのが基本条件です。批判する方々は准教授についての基本的な知識がないまま的外れの批判をしたのです。
 一連の騒ぎを経験して、匿名の恐ろしさを感じました。自分の名前が出ないから、あることないことを勝手に書くのでしょう。一度世間に広まると、打ち消すことは困難です。そもそも自分の名前を隠して悪口を言うのは卑怯です。
 同じことはイジメについても言えるでしょう。特にSNSを使ったイジメは陰湿で、根拠のないことを誰かが流すと確認も取らずにそれを拡散してしまう人がいる。それが伝わっているうちにいつの間にか嘘が真実のようになる。
 この春の入学式で、私は祝辞を述べました。その時CHATGPTで書いた祝辞を読み、これはCHATGPTに書かせたものです、と言いましたら会場の方々が驚いていました。続いて私の名前をCHATGPTで調べた状況を話しました。いろいろな情報が出てきたのですが、中に全く別人(似たような名前の方)の経歴が出てきました。私を知らない人がその情報を見れば、それが岡島だと信じるでしょう。
 これからは誰でも「情報は正しく発信し、また嘘情報(フェイクニュース)を区別できる能力」が必要です。学校教育の基礎部分にIT知識を置かなくてはなりません。
 ところで福原さんは学生たちに「自己の信念を大切にすること」を、事例をあげながら学生たちにしっかりと伝えてくれました。講義が終わった後、青森山田サービスが経営するスポーツアカデミーで小学生たちに卓球の指導をしてくれました。翌日は幸畑の国際卓球センターで中学、高校、大学の卓球部員を集め、技術指導をしてくれました。青森山田学園の卒業生ということで熱心に指導していただきました。指導が終わった後、国際卓球センターには学生たちの笑顔と爽やかな空気が残りました。
 別件ですが、前回、昭和天皇が「雑草という名の草はない」とおっしゃったという話を書きましたが、その後の調べで「牧野富太郎氏が昭和天皇に直接お話ししたか、昭和天皇が人づてに牧野の話を聞き深く感動されたか」なのだろうと知りました。その後、昭和天皇は「雑草」と言う人間に対しその都度、苦言を呈しておられ、本田先生にもお叱りになった、というのが正しいようです。前回の話の補足をしておきます。

 

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