56 Chat GPTのゆくえ

 このところ青森山田のスポーツ関連ニュースがテレビや新聞などで大きく扱われることが多い。高校野球は東北大会に優勝し、おそらく来春のセンバツ高校野球には出場できそうです。ラグビーと陸上も花園、京都へのキップを掴み、サッカーもプレミアリーグで東のトップを走っています。大学は庄司陽斗君がベイスターズの育成選手に選ばれた。昨年の名原君に続いての快挙です。また、新体操部は第76回全日本新体操選手権大会で、団体3連覇を達成しました。さらに、プロ・サッカーでは町田ゼルビアの黒田剛監督がJ2で優勝し、来年はJ1に昇格することが決まりました。町田ゼルビアでは青森山田中学の監督だった上田君もアシスタントコーチとして活躍しています。青森山田のOBも藤原、宇野、バイロンの3選手が1軍で頑張っています。
 高校生や大学生が各方面で活躍すると、学校全体が活気づきますね。生きているといろいろ苦しいことや嫌なことに出会いますが、身近な人が活躍するとそんな弱気も吹っ飛んでしまいます。私も頑張らなくちゃ、という気になるのです。
 話は変わりますが、先日、ソフトバンク社の孫正義社長の講演を聞きました。まあ、元気です。Chat GPTが時代をどんどん引っ張っていく、という主張です。生成AIが世の中の大変革を引き起こすのだと言うのです。
 冒頭に金魚の絵が画面に写りました。金魚の頭付近に大きな「?」とABCという文字が書いてありました。2枚目は「AGI」と大きく書かれたスライドでした。孫さんは「この2枚のスライドがすべてを物語っている」と話し始めました。
 金魚の絵は、金魚にABCをおぼえさせるのは難しい、という説明でした。金魚は人間のニューロン(神経細胞)の1万分の1しかないそうです。次のAGIはArtificial General Intelligenceの略語です。意味は「人間のあらゆる知恵」とでも訳せるでしょうか。生成AIが、人間が持つあらゆる分野の知識や知恵の10倍になった場合の状況だ、ということです。現在は、将棋や囲碁、天気予報などAI が得意な分野だけが人間より優れている、という状態ですが、AGIはすべての分野で人間より優れているようになるというのです。にわかには信じられませんが、孫さんは、10年後には必ずそういう世界になる、と説明していました。
 さらに、AGIの時代が来てその10年後には「ASI」の時代となると予言しています。ASIってなんだ。それは人間の能力の1万倍の能力を持つ Artificial Super Intelligence の略語です。人間の能力の1万倍ですよ、1万倍。どうなっているのかわかりませんが、世の中の仕事が全く違ったものになるのは確かなようです。さて、そんな時代になったらどうします。
 そして、サルは人間のニューロンの10分の1だが、金魚は10000分の1だそうです。即ち、人間とサル、金魚のニューロンの比較はASIとAMIと人間の比較に等しいというのです。
 どうなるのか分かりませんが、時代はその方向に向かっているようです。もちろん課題は山ほどあるでしょうが、ICT技術はさらに進むでしょう。そして大事なのはそのAMIやASIを人間がどのように操作するのか、ということです。
 細かいことは専門書を読んでいただきたいのですが、私がここで言えることは、人間がコンピューターを使いこなすのであって、コンピューターに使われる人間であってはならない、ということです。
 自動車は危険ですが、その危険を回避するために人間は信号を作ったり免許証や法律を整備するなど様々な制御装置を作って利用してきました。生成AIもきっとそのような経過をたどるでしょう。問題は、これまで人間がしてきたことのほとんどをAIができるようになるということです。事務一般、営業、医療行為、企画などほとんどの職場がAIにとって変わる、ということになるようです。これからの教育も果たしてどうなるのか。AIの良いところを取り入れ、人間にしかできないことを人間が教える、ということになるでしょうか。
 でもスポーツのような肉体が激突する行為は、AIは、作戦は作れても実践は無理でしょう。AIは、利用はできても主役は人間です。人間がしっかりしないとAIは暴走するかもしれません。そのための制御は必要です。そして、青森山田のスポーツ選手の笑顔はなくならないでしょう。
 AIについては、次にまた、少し深掘りしてみましょう。

タイトルとURLをコピーしました