59 自然の力

 今年に入ってから公私ともに様々なことが起こり、ブログが書けませんでした。でも4月に入ってからやや落ち着きを取り戻し、連休前になってやっと書ける状況になりました。
気が付けばもうすっかり春です。いや時には初夏のようです。時は嫌でも過ぎていくものです。そして過ぎてしまえば何とも早い。あっという間の出来事です。なんであんなことに滅入っていたんだろう、悩んだのだろう、などと今になってみれば何でもないことですが、その時にはすぐに対処しなければならないと懸命に対応するのです。でも、時が過ぎれば何事もなかったようになります。
 房総半島の自宅の庭には色とりどりのツツジが咲き始めました。シャクナゲも赤い花をつけ、クヌギ林を背に映えています。まもなくオオデマリ(大手毬)が真っ白い花をつけるでしょう。これから5月の連休頃までが花の盛りです。いわゆる雑草もたくさんの花を付けます。花が美しい季節です。青森は1か月ぐらい遅れるでしょうか。
 昨年の最大の見ものは、倒れた桃が生き返ったことでした。桃に木の近くのちょっと大きな木を伐ったとき、桃が倒れた木の下敷きになってしまい、潰れてしまったのですが、植木屋さんと一緒に起こし、杭を立てて様子を見ました。それが葉をつけ、可愛い花をたくさんつけました。
 今年はそれに加え、強風で根本から折れた山桜の大木がたくさん花をつけたのです。地面にドタっと倒れてしまった老木が見事に花を咲かせたました。伐採してしまおうかと迷っていたのですが、春先に芽を吹いたので見守っていましたが、伐らずに良かったと思っています。ところで、今年はソメイヨシノが遅れ、山桜が先に咲きました。それに今年の山桜はピンクが強く、逆にソメイヨシノの方が白かった。
 一昨年は、根を虫にやられたオオデマリが見事な復活を遂げ、昨年の桃、今年の山桜と3年連続で枯れかかった樹木がよみがえったのです。
 こうした植物のねばり強さを見ていると人間どもの悩みや争いごとなど意味を失うようです。植物は一生動けないで暮らしています。どんなに自分に合わない土地でもなんとか生きていきます。じっと耐えてそれなりの花を咲かせます。人生もこれとまったく同じだと思います。誰と比べるのではなく、自分が自立して生きていくことの大切さを自然が教えてくれます。
 こう考えてくると、青森大学総合経営学部のフィールヅ・ツーリズム・コースの究極の教育目的は、自然から様々なことを教わることなのではないでしょうか。フィールド・ツーリズムで学ぶことは、観光という異文化体験の中からさらに自然に一歩踏み出して、そこから得る知恵や意欲のようなものを知っていただくことにあるのだと思います。
 自然から学ぶ旅、と言ってもいいでしょう。そんな機会を作りだし、体験していただき、何かを得ていただくことがフィールド・ツーリズムの役割です。青森県はそうした体験をするにふさわしく美しい自然がまだまだ多くあります。ある意味で大きな観光資源です。天から与えられた素晴らしい資源を有効に活用して新たな地域創生につなげていければ最高じゃないですか。
 将来、世界におけるフィールド・ツーリズムの中心地になると想像すると、青森に明るい道が開けてくるような気持ちになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

強風で倒れても見事に花をつけた山桜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャクナゲとクヌギ林(奥)。

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