櫛引研究室が雪問題めぐり青森市議会と勉強会

 青森大学・櫛引素夫研究室(ソフトウェア情報学部)は8月17日、青森市議会第四委員会室で、議員を対象に青森市の雪問題を考える勉強会を開催しました。市議会議員32人のうち21人が出席し、2024-25年、25-26年と2シーズン続いた青森市の豪雪とその対応をめぐって意見交換しました。

 地理学を研究する櫛引教授は2025年度、青森市除排雪検討会議の座長を務めて市への提言をまとめました。さらに、一連の豪雪とその対策の検証をめぐり、2026年5月に研究室として「雪のまちプロジェクト」を始動させて、長野県飯山市、新潟県上越市、長岡市などの調査、市民ワークショップ、学会報告などの活動を進めています。7月23日には青森市長に、雪問題に関するビジョンの確立などを求める提言を行いました。

 勉強会で櫛引教授は、これらの調査結果などを紹介しながら、「雪対策を除排雪だけの問題として考えるのではなく、人口減少、高齢化、交通、防災、福祉、教育、地域コミュニティ、情報政策などを含む『都市政策』として捉え直すべきだ」と強調しました。

 さらに、2シーズンの豪雪を振り返って、市民が「自分ごと」としてさまざまな雪のデータや道路の状況を記録する仕組みや、除排雪に奮闘した人が称賛されるアプリの開発が有望だと展望を語りました。加えて、除排雪に関するさまざまなデータを、市民や議会がわかりやすい形に整え、多くの人の知恵や支援を集約しやすくする必要性を訴えました。

また、他都市の調査からは、雪質や地形、都市構造、人口規模、建設業界、地域コミュニティなどの条件がそれぞれ異なるため、他都市の成功例をそのまま青森市へ移すことはできないと指摘した上で、「まちづくり全体の中に雪対策を位置づけ、特に若者の未来を意識しながら、雪と向き合って暮らすビジョンをつくることが重要だ」と提起しました。
特に、雪問題は若者の地域定着と密接に関わり、最大の若者流出対策にもなり得ると述べた上で、「雪について考えることは、5年後、10年後の若者の未来について考えること」と強調しました。そして、「雪のない時期に雪のことを考える」仕組みづくりや、まちを挙げて、学校教育や大学の研究、市民活動などを結び付けて雪を研究していく機能が必要だと結論づけました。

 市議会については、市長や職員が代わっても、過去の豪雪や政策を長期的に記憶し、検証できる存在であると位置づけ、「行政を監視するだけでなく、継続的な勉強会や専門家との意見交換などを通じて政策形成にも関わり、“日本で一番雪に強い、雪問題に詳しい市議会”を目指してほしいと呼びかけました。

 質疑・意見交換では、今後さらに豪雪化した場合の除排雪体制や、過去の豪雪の記録・経験をどう継承するか、雪に関する研究・政策形成機能をどう維持するかなど、多岐にわたる議論が交わされました。

 櫛引教授は、行政だけ、大学だけに解決を求めるのではなく、議会、市民、大学、行政などがそれぞれ「自分たちなら何ができるか」を持ち寄ることが重要だと語りました。また、櫛引研究室としても、11月の市議会議員選挙に際して、学生への主権者教育や投票の呼び掛け、立候補者の雪に関する政策の情報収集と整理に取り組む方針を示しました。

 

 

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