青森大学生が7月24日、青森労働局を訪問し、労働行政や働く人を守るさまざまな仕組みを学ぶとともに、「職場としての労働局」に理解を深めました。



青森大学は「働き方」「働く場所」をめぐる教育に力を入れており、特に総合経営、社会、ソフトウェア情報の3学部共通科目「キャリア特別実習」に青森労働局の協力をいただいています。2024年には上野諭・労働基準部長が授業で講話と対話を行い、学生が労働局を訪問して若手職員と意見交換するなど、さまざまな取り組みを進めてきました。
労働局訪問は前年に続き、学生の要望と労働局の協力で実現しました。青森地方労働審議会会長を務める櫛引素夫・社会学部教授が引率し、社会学部1年の飯田紗可さん、福井美羽さんが参加しました。
2人は角井伸一局長と懇談し、若者への情報の届け方、地元定着に関する意識などについて、見解や提案を局長へ提出することになりました(写真 右)。続いて、上野部長の案内で労働基準部、職業安定部、雇用環境・均等室を回って、局の組織、常に労使双方に目配りしながら業務に携わる基本姿勢、法令違反を罰するだけでなく模範となる企業を表彰するなど多面的な施策を展開していることなどについて説明を受けました(写真 左.中央)。
学生たちは、若手職員が働く場所に労働局を選んだ理由、アルバイト先でハラスメントを受けた際の対策、SNSや動画を活用した業務の情報発信など幅広い話題に関心を示し、活発に職員らと意見を交わしました。
飯田さんは「労働局の職務について、職員の方から直接お聞きすることができたという、非常に貴重な時間をいただけて大変光栄でした。このような機会を設けてくださった職員の皆さまと先生に、深く感謝を申し上げます」、福井さんは「実際に労働局を訪問したことは、労働行政や雇用支援の現場を直接体感することができた貴重な経験になりました。労働相談の窓口や青森労働局のHPを見て、就労支援に対する熱意を感じ取ることができました。今後仕事をしていく上で、労働中に問題が起こった場合の解決方法など丁寧にご案内してくれたので良かったです」と訪問を振り返りました。
青森労働局の方々からは、次のようなコメントがありました。
「若年者の県外流出に歯止めをかけるには、より一層、魅力ある職場づくりを進めていくことが重要と考えており、その支援等に向け、労働局職員は日々の業務に取り組んでいます」
「県外から青森に来られた飯田さんからは青森に来たいと思った魅力を、県外で一度は働きたいと思っている福井さんからはそう思う理由を伺うことができて、非常に有意義でした」
「魅力ある職場の構築のためには、国等の支援メニューを活用しながら、企業の方々に労務管理に係る不断の見直しを図っていただくことが重要であると考えています」
「『県外への人材流出』という課題の観点でいえば、県内の企業の魅力を高め、一人でも多くの方に青森の企業で働くことを選択いただくことはもとより、一度は他の地域で働くことを選択した方々にも『やっぱり青森がいいな』と思われ、多くの人が自発的に戻って来られるような企業づくりに我々も貢献したいと思っています』
「また、労働政策は、労使双方の立場から、均衡のとれた着地点を目指すことが重要であり、どのテーマ一つとっても、多角的な検討が必要です。ぜひ、今日、紹介した政策について興味が湧くものがありましたら、どんどん労働局に質問してください」
「学生の皆さんが、労働政策にアプローチすることは、社会的課題への知見が深まるのみならず、複雑な事象を考えることのできる思考能力を養うのにも役立ちます」
「本日の意見交換が、皆さんにとって、労働政策のテーマを何か一つでも勉強してみようと思うきっかけになってくれれば、我々も嬉しく思います」

