青森大学と観光庁が連携して実施している、「産学連携による観光産業中核人材育成・強化事業」が開催されました。
この事業は、青森大学観光文化研究センターが昨年から取り組み、2泊3日の講座を3回、8コマ(1コマ2時間)の講座を予定。今年のテーマは、「自然資源を生かした体験型観光商品の開発と観光地域づくり」。実践から学びながら新たな体験型観光商品開発を担う人材の育成を目指し開講しました。
初回(第1ターム)は、7月10日(火)~12日(木)の2泊3日の日程で、八戸市種差海岸にある、「種差海岸インフォメーションセンター」を会場に、6名の講師より6つの講座と4つに体験演習が実施されました。
初日は、観光庁の田村寿浩参事官から「観光先進国の実現に向けて」と題して特別講演があり、その後、世界中を歩き数多くの書籍に執筆しているライターのシェルパ斉藤さんから「歩く文化・歩き方いろいろ」と題して、世界中のロングトレイルなど多彩なスライドを観ながら歩くという行為を通じて見えてきた意義深い話を伺いました。次に「自然を生かした観光地域づくり~信越トレイルと森の家の実践から~」と題して、観光が専門である木村宏さん(北海道大学特任教授)のこれまでの実践から、信越トレイル(歩く道)と森の家(宿泊施設)の展開に秘められたお話を伺いました。初日の夜は夕食を兼ねて講師と受講生を交えて情報交流会が開かれました。
2日目は、種差海岸インフォメーションセンターの運営を担い、数々の体験型観光商品を開発している(株)ACプロモート代表の町田直子さんに講座と体験演習をコーディネートしていただき、種差海岸エリアで展開しているプログラムを体験しました。
このエリアで展開しているプログラムで人気のひとつ「天然芝で朝食」。天然芝朝食プログラムの一連を体験し、その後、芝生からスタートし白浜海岸までの2kmあまりの「みちのく潮風トレイル」を歩きました。標高0mの海岸線には高山植物の花々が咲き、やませの気候の多様な自然を満喫しました。午前中の体験演習のを踏まえて「歩くテーマで生まれた観光商品づくり」と題して、プログラムが生まれるまでの秘話を語っていただきました。地域とどのようなつかなりがあるかを知る「漁師メシ」プログラム体験は地元漁師さん奥さんたちと連携して新鮮な海の幸を味わえる企画。地元の方々と観光商品を展開する上での課題をテーマに、町田さんに加え、種差感慨観光協会長の柳沢さん、ACプロモートのスタッフの坂本さんも加わり、現場からの課題も提示されました。
最終日は、フットパス研究所代表の井澤るり子さんの熊本県美里町での取り組みを中心に、「歩く」+「地域づくり」を視点に「ニーズに応えるコースづくり&おもてなしとガイドの役割」と題して講義。センター周辺をつかって「プトパスの歩き方」を考えました。今回の講座のまとめとして、本学観光文化研究センター長の小林英俊教授が「トレイルを活かした地域ビジネス展開」と題して、振り返りを行いました。なぜ歩くのか、歩く事で地域になにがおこるのか、第一タームの「歩く」というテーマから見えてきた、体験型環境商品と地域のあり方を受講生と共に共有しました。
今回は、青森、岩手、宮城の3県から受講生が集まり3日間の講座と演習を体験していただきました。その都度の振り返りアンケートをいただき、最後に3日間を振り返りアンケートで締め括りました。