SDGs研究センター
SDGs研究センター長メッセージ
SDGs時代の大学のあるべき姿については、2017年9月に日本学術会議が「自らの専門分野における常識や慣習に囚われ過ぎるのではなく、問題が起こっている現場の状況をよりよく知る「市民」と協働する」姿勢や、社会イノベーション創出に向けた分野横断研究の展開を示しています (p13-14)。こうした方向性とは、大学のカリキュラムや教授法、正課外教育をより柔軟にし、地域社会の再生や活性化に直結させる質的転換を目指すもので、昨今の教育改革全般と連動するものです。例えば、2020年度から小学校で実施された新学習指導要領「2030年の社会と子供たちの未来」に見られる通り、従来の一方通行・個別型情報伝達を基調とした学びや教授法を、反転学習やアクティブラーニング、PBL(Problem-based Learning)など、関係性や振り返り、対話を重視する学びのスタイルへの移行を示しており、大学の教育現場においても大きな変化が求められています。
どのようなテーマ・切り口で誰を対象に、どのような学びの機会を教育の現場で提供するかについては、時間や場所、予算など、さまざまな制約条件があるものの、各教員や教育機関がデザインする立場にあり、SDGs研究センターは教育の質向上にかかる可能性と選択肢を提示すべく調査研究と地域貢献活動に励んでおります。
持続可能な開発目標、SDGsの世界的コミットメントの背景には、主に先進国が近視眼的な経済成長を追い求めた結果、環境問題、労働問題、貧富の格差等様々な社会問題を生み出したことに対する深い反省と改善への意思が表れています。この反省と改善は、企業や政府だけでなく、地域の人をつくる私たち高等教育機関にも求められており、それが教育の質的転換であります。
私たち教職員の試みの一部を紹介するこのページを足がかりに、各関係者の皆さまからさらなるご指導ご支援をいただくことができれば幸いです。 SDGs研究センター長 藤公晴