青森大学ソフトウェア情報学部の櫛引素夫教授は7月23日、青森市役所を訪れ、西秀記市長に「『雪のまち』をどうつくり直すか―県都の未来への考察と提起」と題する提言書を手渡しました。
櫛引教授は2025年度、青森市除排雪検討会議の座長を務めました。その後、青森市が2シーズン続けて豪雪に見舞われたことを受け、2026年5月に櫛引研究室として「雪のまちプロジェクト」をスタートさせ、市民ワークショップ、学会発表、長野県飯山市、新潟県上越市、同長岡市で市役所などへのヒアリングを行ってきました。
提言の中心は、青森市の雪対策を除排雪の技術的な問題にとどめず、地域経営全体の課題として捉え直すことと位置づけています。櫛引教授は「機材やマニュアルだけでなく、行政、市民、事業者の信頼関係が除排雪を支えている」と指摘し、「『除排雪の司令塔』に加え、冬の生活や地域の将来像を部局横断で考える、『雪のまちの司令塔』に相当する機能が必要だ」と強調しました。また、豪雪を災害として位置付け、通常の除排雪では対応できない場合の体制を整えること、雪のない時期にも政策を検証し続けること、市が2025年度にまとめた豪雪災害白書と、除排雪検討会議の報告を再検討することなどを提起しました。市民が雪対策に関わる方法が苦情や要望に偏っている現状にも触れ、地域ごとの対話や情報共有など、行政と市民が新たな関係を築く必要性を訴えました。さらに、「豪雪に向き合いながら生きていく営みに、何らかの意義や希望が見えないと、特に若者は青森市に背を向けるしかなくなる」と指摘し、子どもや若者とともに雪国の未来を考え、教育や地域活動を通じて雪を地域資源として捉え直すことを求めました。
西市長は「単なる除排雪の問題ではなく、行政と市民が雪とどう向き合うかを再定義する必要がある」と答え、提言を参考に「雪のまち青森」のビジョンづくりを進める考えを示しました。
櫛引研究室は今後、市議会や市民、学生との勉強会・座談会を企画するとともに、今回訪問した都市の実務者を結ぶ交流の場づくりを検討します。
提言の様子は東奥日報、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送などでニュースとして報じられました。
▽青森市への提言は、下記のURLからファイルをダウンロードできます。


