
青森大学オープンカレッジの市民大学第9講が9月11日、アウガ5階AV多機能ホールで開かれた。同大学薬学部の鹿内史(ふみ)准教授が「ことばの壁をなくす~やさしい日本語の使い方~」と題して講演し、増える外国人住民や観光客とのコミュニケーションにおける「やさしい日本語」の実践的な活用法を解説した。
鹿内准教授は、アメリカでの留学経験や多文化教育の研究背景を交え、国内や青森県内における在留外国人の現状を紹介。日本で暮らす外国人の多くが日常生活に困らない程度の日本語力を有している調査結果を示し、「英語で対応しなければと身構えるのではなく、まずは日本語をベースに伝える意識が大切」と訴えた。
講義では、伝わりにくい日本語の具体例として、敬語や二重否定、カタカナ語、曖昧な表現を挙げ、これらをシンプルで具体的な表現に言い換えるコツを伝授した。
また、阪神・淡路大震災をきっかけに弘前大学の研究グループから生まれた「やさしい日本語」の成り立ちや、災害時における緊急情報の伝え方についても触れ、「高台へ避難」を「高いところへ逃げる」と言い換えるなど、相手が即座に行動できる表現選びの重要性を強調した。
さらに、言葉だけに頼らず、ジェスチャーや指差し、スマートフォンの画面共有といった視覚情報を組み合わせることの有効性を説明。「やさしい日本語は単に言葉を簡単にするルールではなく、相手の反応を見ながら一緒に理解を作り上げる共同作業。何より『伝えたい』というハートが一番大切」と語り掛けた。参加者は提示された事例をもとに言い換えのワークショップに取り組み、日常や災害時に使える実践的なコミュニケーション手法への理解を深めた。