2024年11月2日青大祭内において、総合経営学部3年牧野琢春(佐々木ゼミ)さんを中心とした学生グループによって青森大学新湯再生プロジェクトの報告会が実施された。
十和田八幡平国立公園内の八甲田山酸ヶ湯温泉から北西にある〝新湯温泉〟は青森山田学園が国(営林署と環境省)から土地を借用し、1968年頃短期大学第1回卒業記念事業として施設を設置(3棟のキャビン、脱衣所、湯船1槽、源泉温度63℃の湯量豊富な温泉)周辺はブナ極相林。当地は未電化で上下水道がない。2011年頃まで使用していたが、この10年程使用せず劣化が進んでいた。
2019年度から佐々木ゼミと藤ゼミの合同合宿形式(毎年2泊3日)で整備に着手し、参加学生らの達成感や能力向上、自然体験理解の効果は非常に高く、これまで何度もメディアで報道されてきた。
当施設の放置・解体の場合、現状復帰が条件の為、多額の費用が生じる。再生には、周辺の樹木の伐採も必要であるため、営林署や環境省への届けも必要。修復・修繕するための材料・用具の準備、技術の確保も必要だ。
2022年度から日本技術士会東北本部青森県支部の支援のもと、2年にわたる合同合宿で水道の復旧に取り組み、2023年に復旧。2024年度からソフトウェア情報学部下條先生のIT系人材育成と情報の地産地消、脱炭素の視点を盛り込み、KDDI 財団の支援もあり、同施設利活用の可能性が一気に広がった。
これまで学生の学びの場として取り組まれてきた新湯再生プロジェクトは、下條先生の参加もあり、新たなフェーズへと進んだ。今回の報告会を学生主体に企画した牧野さんは「実際にゼミで新湯再生プロジェクトに参加して素晴らしい取り組みがあることを体験した。報告会を通して大学内の学生や先生はもちろん、地域の人や会社、行政の方にも知っていただくことで新しい展開が生まれると感じた」と開催の思いを語った。
報告会は一般参加者や報道関係者を含め30名ほどが参加し、2024年度夏実施の作業報告とこれからの新湯再生プロジェクトの利活用を考えるワークショップが開催された。