06 ねぶた

 急に夏らしくなってきました。カッと照り付ける日差しが懐かしいです。入道雲は空高く立ち上がり、気温も30度を超えました。さすが、8月ですね。
 夏といえば、津軽ではなんといっても青森のねぶた、弘前のねぷた、五所川原の立佞武多など勇壮(ゆうそう)なお祭りでしょう。夏の夜空に輝く山車(だし)は豪華絢爛(ごうかけんらん)。通り過ぎる囃子(はやし)の音色は、津軽の人でなくとも日本人なら誰もが懐かしい。どこかで聞いたような気がするのです。
 私が初めてねぶたを意識したのは、1962年、朝日新聞の「新・新人国記」という連載で疋田桂一郎記者が書いた有名な一説を読んだ時でした。
  雪の道を角巻きの影がふたつ。
  「どサ」「ゆサ」
  出会いがしらに暗号のような短い会話だ。それで用は足り、女たちは急ぐ。
  みちのくの方言は、ひとつは冬の厳しさに由来するという。心も表情もくちびるまで 
  こわばって「あららどちらまで」が「どサ」「ちょっとお湯へ」が「ゆサ」。
  ぺらぺら、くちばしだけを操る漫才みたいなのは、何よりも苦手だ。
という有名な書き出しの記事です。そして、「雪の半年をこらえにこらえて、ある日、一気に爆発する、夏のねぶた祭りだ」と書いてありました。
 雪の道を歩く人の姿を想像するとともに、一気に爆発する「ねぶた祭」とはどんなものだろうと思ったものです。
 それから50年以上経った2014年4月、青森山田学園の理事長になり、その年の夏、初めてねぶたに参加しました。2時間以上、提灯を振る役割は疲れましたが、途中、跳人(はねと)に交じって跳ねてみました。学生たちと一緒に跳ねて、とても楽しかった。以来、夏になると東京から次々とお客さんが訪ねてくるようになりました。誰もが感動してくれます。1時間でも跳ねたお客さんは「また、来たい」と必ず言います
今年はコロナのためすべての祭りが中止となり、残念でなりません。来年こそはみんなで楽しみたい。特に青森山田学園は自前の山車を出しているんですから、だれもが一日は参加したらいいと思います。幼稚園から大学まで、先生も生徒・学生も。みんなで跳ねれば団結心が生まれ、私立学校の良いところがどんどん伸びるでしょう。ねぶた運行は青森山田の宝です。

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