24 心は強くなれる

 連休が終わり、薫風さわやかな皐月(さつき、五月)となりました。一年で最も心地よい季節ですが、コロナが相変わらず猛威を振るっています。今一つ気持ちが晴れない。そんな折、高校サッカー部の黒田先生からトレーニングの様子を描いた動画をいただきました。
 タイトルは「心は強くなれる」。雪の中、トレーニングに励む青森山田高校のサッカー部員の姿が描かれています。とても感動しました。
 監督は、強くあることの難しさを言い、選手たちは、掛け声だけではだめだ、体で突っ込めと叫ぶ。高校生が自分のあるべき姿を自覚し、実践しようとしている。これだけの練習量と自覚があれば何でもできる、と思う。彼らがこれから先どんな進路を選んでも、どんな壁にぶつかっても、この練習を思い出せば必ず乗り越えていくだろう。青森山田のサッカー部のあり方は、教育の本質を示しています。
 青森山田学園は北方の地にあって、幼稚園から大学まで、これまで独自の教育を実践してきました。経営に苦しみ、どん底も経験した。それでも、このような立派な生徒を育てているのです。この動画を見て私は理事長になって初めて、学園の運営について自信のようなものを感じ取ることができました。
 そもそも学校とは何か。若者を育てるということは何か。若者を育てる意味とは何か。その点を教職員は常に考えなければならない。そして時代の変化とともに常に改善していかなければならない。根底にあるのは児童、生徒、学生の立場に立って考えることだ。
 しかしながら、日常の生活に追われるあまり、こうした基本的なことを忘れ、考えるのもやめてしまう。ついには学生より自分の都合を優先してしまうようになる。その結果、学校は荒れる。学生までもが自分のことだけを考えるようになってしまう。そういう道を辿(たど)って、潰(つぶ)れていく学校が後を絶たない。
 青森山田学園も常にその危険にさらされています。DX時代、コロナ後の世界を見つめれば、その先には新しい時代が開けているのですが、それが見えなければ時代に取り残されてしまう。学校は潰れるし学生は路頭に迷うことになります。
 学園のすべての先生、職員、生徒もこの動画を見ていただきたい。私自身も含めて、自分が普段行っていること、考えていることが、一人の人間として、この高校生のレベルに達しているのかどうか。サッカー部員の練習の映像は、短いものだけど、私たち大人をも鼓舞する力を持っています。

青森山田高校サッカー部動画 

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