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社会調査実習2009-2010

社会調査実習I・II (2009年度後期〜2010年度前期) について

社会調査実習は、学生が自分たちで社会調査を行いその結果を分析・報告するまでを実地で学ぶ、社会学科の必修科目です (2年次後期〜3年次前期に開講)。

2009年度後期〜2010年度前期の柏谷実習では、13名の学生が「青森県幸畑地区における交通事故防止のための『ヒヤリ・ハット』情報の収集と分析」に取り組んでいます。

「ヒヤリハット体験」とは

ヒヤリ・ハット体験 (incident) とは、重大事故につながる可能性があった潜在的事例を指します。生命に関わるような重大事故1件の背後には、29件の軽い事故 (ケガなど) があり、さらにその背後には3000件のヒヤリ・ハット体験がある、と言われています。

ヒヤリ・ハット体験に関する情報を蓄積・分析して重大事故の未然防止に役立てる試みは、航空機安全管理や医療ミス防止などの分野で実践されています。私たちは、身近な地域課題である交通事故の防止にヒヤリ・ハット体験を活用できないかと考え、大学のある青森幸畑地区の住民へ聞き取り調査を開始しました。

「見えない危険」を地図化する

調査では、住民が体験したり目撃したりした「交通事故につながりそうだったヒヤリ・ハット事例」について、発生場所や状況を特定するとともに、発生の要因を人的要因・自然条件・道路の状況などに分類して聞き取っています。収集したヒヤリ・ハット事例を地図上にプロット (図1) することで、多くの人が危険を感じている地点を抽出することができます。

図1 ヒヤリ・ハット事例多発地点の例

さらに、ヒヤリ・ハット事例が多発した地点の現場検証を行い、その地点の危険要因を明らかにしてゆきます。例えば図2に示した地点の場合、県道を横断する交差点で交通量が多いこと、形状が変則的で横断歩道が車線と交差していること、一時停止標識や停止線が見えにくいことなどが、ヒヤリ・ハット事例多発の要因になっていると考えられます。

図2 多発地点で発生したヒヤリ・ハット事例

住民目線で交通事故を減らす

上にあげたヒヤリ・ハット多発地点の場合、横断歩道の位置変更などの対策をとることで交通事故の発生リスクを減らせるのではないか、ということが分かってきました。このように、地域内で対策が必要な箇所を絞り込むことによって、効率的で効果的な交通安全対策が可能となりそうです。

現在私たちは、これ以外の多発箇所の特定と要因の分析、ヒヤリ・ハット体験の記録方法の検討、聞き取り対象者の拡大などに取り組んでいます。