幸畑団地の現状と将来像めぐりフォーラム

青森大学の櫛引研究室と地域貢献センター、幸畑団地地区まちづくり協議会は12月7日、本年度の幸畑団地の調査結果を報告し、団地の将来を考える「幸畑団地居住フォーラム2018」を青森大学で開きました。コメンテーターに西山弘泰・宇都宮共和大学講師を招き、青森県庁や青森市役所、不動産関係者、まち協会員、学生、教職員ら約30人が参加して、地域と大学が手を携えることの重要性をあらためて確認するとともに、新築住宅の増加に伴う転入者の皆さんとの協働の在り方について、意見を交わしました。

最初に、授業「社会調査実習」を履修する3年生5人が、今年の8月から10月にかけて大学として5年ぶりに実施した団地の悉皆(しっかい)調査の様子を報告し、この5年間に新築されたとみられる家が120軒近くあること、幸畑1丁目では一戸建て住宅の1割ほどが新築とみられること、幸畑1丁目と3丁目は住民の動きが似通っていることなどを紹介しました。

櫛引素夫・社会学部教授は、住民基本台帳の動きから、3丁目は過去5年間で人口が微増し、1丁目と2丁目は減り方が緩やかなのに対し、バス通りから離れた4丁目や5丁目は人口の減り方が激しいと分析し、団地内の地域によって人口の動きが異なっていることなどを指摘しました。また、幸畑団地内は空き家や空き地が新築住宅に転用されているとみられることを明らかにし、今後、さらに調査を進める必要があると強調しました。

西山氏は、宇都宮市の空き家調査結果や、自治会が直接、空き家の所有者と連絡を取り合っている事例、大分県竹田市の空き家バンクが移住者の増加に貢献している事例などに言及しながら、問題ある空き家を増やさないためには、空き家が発生する前から、地域のコミュニケーションを充実させる必要があること、不動産や建築、グラフィック、メディアなどに詳しい「尖った流入者」を呼び込むことで、多くの人をさらに呼び込める可能性があると指摘し、「幸畑の『顔』を描いて、住民がそれを育てていくことが活性化につながる」と延べました。

質疑では「空き家をシェアハウスに転用し、市が助成して学生に住んでもらって、地域活動への参加を促してはどうか」「竹田市の事例がうまく回ったポイントは何か」といった意見や質問が活発に出され、さまざまな仕組みを組み合わせた取り組みを進めることや、柔軟かつ総合的な視点から既存の制度を運用することの必要性が浮かび上がりました。

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